第24回

なるほど! The 鎌倉仏教③

【鎌倉仏教】

  「鎌倉仏教」について最終回。
 楽しい講座というのはあっという間に終わってしまうよね。早いもので鎌倉仏教については今回が
 最終回です。
 楽しんで聞いてください。それでは前回の続きから。

  ――時宗が爆発的に流行する一方で、
 
  「お手軽に誰にでもできたり、何もしなくてもいいという考え方で果たして本当に浄土へいける
 のだろうか・・・?」
 と考える人たちもいました。現代でも「○○するだけで気がつけばなんと!-△△㎏に!」や「腕
 やお腹など、気になるところにつけるだけでみるみる脂肪が!」や「まな板まで切れる切れ味!」
 といった宣伝文句をよく耳にしますが、
 それらに疑問をもつのと同じように、浄土宗や浄土真宗、時宗に対するアンチテーゼとして
「禅宗」が発達します。
  浄土宗や浄土真宗、時宗では「阿弥陀如来の力によって、極楽浄土に生まれ変わらせてもらって
 そこで『悟り』を開くための修行をする(師匠はすでに悟りを開いている阿弥陀如来なので、極楽浄
 土に行ければ、誰でも絶対に悟りを開ける)=「他力本願」という考え方だったのに対し、
  禅宗は
「自ら苦行(厳しい修行)をして悟りを開かなければならない」=「自力本願」
 という、正反対の考え方だったんだ。

  禅宗で有名な宗派はまず、道元の開いた「曹洞宗」。曹洞宗は、ひたすらに坐禅をすること(只
 管打坐)によって悟りを開こうとする宗派なんだ。
  そして、栄西という僧侶が伝えた「臨済宗」。これも同じ禅宗で、坐禅もするんだけれどそれ以
 外の修行も重んじているんだ。ちなみに栄西は、健康食品として日本に初めて「お茶」を紹介した
 人物としても知られているんだね(「喫茶養生記」)。
 
                   ← 禅宗の坐禅でよくイメージされるのが、
                    この警策で肩を叩かれているシーン 
                    だよね。

 




  「厳しい修行をしてこそ、初めて悟りを開くことができる」というストイックな考え方が、当時
 の武士に幅広く受け入れられ、特に臨済宗は当時の室町幕府の保護を受けていた、と言われている
 んだ。


   時代によって受け入れられる宗派は様々だけど、宗教の流れを調べることで、時代の流れ・変
   化をつかむことができるんだね。
   歴史というものをいろいろな側面から見ることの楽しさが少しでも伝わればいいなと思ってい
   るよ!!