高校部英語

 
英文和訳力チェック問題
(1)You are going to give a talk on a person you would like to have interviewed if they were still alive.
(2021年大学入学共通テスト 第2日程第5問より一部抜粋)

(2)Based in Stratford-upon-Avon in the UK, the RSC produces plays by William Shakespeare and a number of other famous authors.
   *Stratford-upon-Avon:ストラトフォード-アポン-エイヴォン イングランド中部の都市
   *UK:United Kingdomの略。通称イギリス(英国)
   *RSC:Royal Shakespeare Companyの略。1875年に設立された由緒ある劇団
(2021年大学入学共通テスト 第2日程第6問Aより一部抜粋)



高2の1月、つまり大学入学共通テストまで残り1年、という段階で、上記のような英文を「自力で正しく和訳できること」を目標として、高校英語の授業を行っています。
高2の1月から逆算して授業のカリキュラムを作成し、高1生は英文法を、高2生は英語短文精読を中心とした授業をします。
文法を正しく理解することは、日本語とは文構造が大きく異なる英語の文構造を正しく把握する力につながります。
「中学校の時は英語が得意だったけど、高校になったら全然わからなくなった…。」という高校生のほとんどが、高校英文法を正しく理解できていない生徒です。そして、そういった生徒のほぼ全員が、高校英文法のなかでも「準動詞」と呼ばれている【不定詞・動名詞・分詞】、そして【接続詞・関係詞】への理解不足が原因で、「読めるはずの英文が読めない。」「辞書で単語の意味を調べて日本語に直したけど、意味の分からない日本語訳になった。」という状況になってしまっているのです。

「英語が分からなくなってきた…」と感じている高校生は、試しに、上記の2つの英文を訳してください。


(1)和訳例:あなたは、もし今もまだ生きていたら、インタビューしてみたかったと思う人物について発表します。
<和訳ポイント>
この英文自体は使われている英単語も中学英語で出てくるようなものがほとんどなので、共通テストに登場する英文の中でも、かなり簡単な部類に入ります。しかし、本文途中の「“a person you would like”のa personとyouの間に関係代名詞(whom)の省略がある。」ということを見抜ける文法力が求められています。
この「関係代名詞の省略」が見抜けない人は、同じ構造の英文でも、英単語が難しくなったり、英文が長くなったりすると、途端に正しく和訳できなくなります。

(2)和訳例:イギリスのストラトフォード-アポン-エイヴォンに拠点を置いているので、RSCはウィリアム・シェイクスピアや、その他の多くの有名な作家による演劇をプロデュースしている。

<和訳ポイント>
文頭のBasedを「分詞構文(受け身)」と判断できる文法力があるかどうか…が問われています。分詞構文によって省略された接続詞と主語を補って、もとに英文に戻すと、
“As the RSC is based in Stratford-upon-Avon in the UK, it produces plays by William Shakespeare and a number of other famous authors.”
となります。ちなみに文頭のAsはbecause(未知の理由・根拠)やsince(既知・自明の理由・根拠)の可能性もあります。また、producesの直後のplaysも名詞「(演)劇」だと判断できる英語力も必要です。ちなみに、ストラトフォード‐アポン‐エイヴォンという都市は、ウィリアム・シェイクスピアの出生地で、年間250万人が訪れる、舞台芸術や演劇が盛んな都市だそうです。