大学入試のしくみについて
現在の大学入試の選抜方法はおもに3つ。①推薦入試 ⇒ 試験科目は小論文と面接が主流
『学校に行くことが当たり前の社会であるがゆえに、かえって「見にくくなったこと」は
ありますか。自由にテーマを設定し「何が見えにくくなったか」、「なぜそうなったのか」
について、あなた自身の考えを800字以内で述べなさい。なお題欄には適切な題を書き入れ
なさい。』(信州大学教育学部推薦入試問題より)
というような設問に対して、解答を作成するパターンと、
短文(おもに随筆文)を読んで作文を書くパターンが主流です。
もちろん、大学や学部・学科によって特色があるので、一概に「こうだ!」とは言えませ
んが、「600字~800字の小論文を作らせる形式が多い」ということは言えます。
②A.O.入試 ⇒ 点数よりも人物を重視する入試形態
学科試験の結果で合否が決まる一般入試とは異なり、志望理由書、面接、小論文などに
より出願者の個性や適性に対して多面的な評価を行い合格者を選抜します。「一芸入試」
という言われ方もしています。英検や数検、漢検、職業科であれば簿記検定や情報処理検定
が評価の対象となる入試でもあります。
③一般入試 ⇒ 学力試験を受験し、その点数に応じて合否が決定
国公立大学はセンター試験(昔の共通一次試験)と、各国公立大学が独自に課す二次試験の
合計点数で合否を判定します。センター試験の試験科目も、二次試験の試験科目も各大学・
学部・学科によって様々なので注意が必要です。また、私立大学でも、一般的な学科試験と
ともに、センター試験利用入試(センター試験の点数だけで合否を判定する試験形態)も実施
している大学がほとんどです。
つまり、国公立大学に進学するにせよ、私立大学に進学するにせよ、センター試験の結果
が大きなカギを握っている・・・ということなのです。
ここが大切!
進む方向が違えば、おのずと必要になってくる科目もその中身も一人ひとり大きく変わってき
ます。一般入試においては(例1)のように同程度の偏差値の同系統の学部でも、大学が違えば、
二次試験の科目も大きく変わってきます。
(例1)ほぼ偏差値が同じである横浜国立大と神戸大(センター試験の科目は同じ)
【工学部】横国 → 二次試験は数学のみ 神戸 → 二次試験は英語・数学・理科
【経営学部】横国 → 二次試験は面接のみ 神戸 → 二次試験は英語・数学・国語
また、センター試験と二次試験の配点バランスも、(例2)のように大学によっても、学部に
よっても、本当に様々なのです。
(例2)センター試験と二次試験のバランス(それぞれの試験で、合格に必要な得点率)
富山大 工学
センター62.5% → 二次60.5% (センターと二次の比率がほぼ同じ)
富山大 薬学
センター78.64% → 二次73.3%(センターと二次の比率がほぼ同じ)
金沢大 理工学
センター70% → 二次68% (センターと二次の比率がほぼ同じ)
東京大 文Ⅰ
センター90% → 二次62% (センター重視)
神戸大 経済
センター80% → 二次57% (センター重視)
岡山大 経済
センター75% → 二次47% (センター重視)
これら千差万別の大学入試にしっかりと対応するためには、高1や高2といった早い段階で
「自分が進むべき方向」をちゃんと考えて調べておく必要があります。この作業をせずに、た
だ学校の勉強をやっていく・・・というのは危険です。県立高校入試のように、みんなが同じ
内容のテストを受験して合否が分かれるわけではないのですから、ただ、がむしゃらに5教科の
勉強をしても大学によって、学部によって、試験科目や中身、配点までもが違う以上、それは
かなり非効率的である・・・ということが言えるのです。
自分に必要な科目を知り、また大学入試までにその科目をどのレベルまで出来るようにして
おかなければいけないのか・・・・を知ったうえで、効率の良い学習をしなければいけないと
いうことなのです。もちろん志望校を大きく変更する際にも、変更先の大学の試験科目をしっ
かりと調べておかないと「勉強していなかった(履修していなかった)科目が試験科目にあった・
・・」という、泣くに泣けない状況に陥ってしまうこともあります。
大学受験生の皆さんは、この点を充分に考慮して志望大学を選ぶようにしましょう!
向新ゼミでは、高1・2生の志望校設定のための個別懇談も実施しているので、進路について
まだはっきりとした考えがない人は早めに相談してくださいね!