当時の踊念仏の様子が描かれている巻物(一遍上人絵伝)より
なるほど! The 鎌倉仏教②
【鎌倉仏教】
「鎌倉仏教」について第2回目。それでは前回の続きから。――だけど、この世に極楽浄土を再現する――という方法で極楽浄土に行けるのは、お金をたく
さん持っている、ごくごく一部の貴族だけだよね。
このことに「それって、何だかおかしくない!?」と疑問を持った僧侶がいたんだ。それが法然。
この僧侶・法然がのちに開いた宗派が鎌倉仏教の出発点、「浄土宗」なんだ。この浄土宗は、
「南無阿弥陀仏」という文言(名号)を唱える、いわゆる「称名念仏(専修念仏)」が信仰の中心だっ
たんだ。「南無阿弥陀仏(意味は『絶対的に阿弥陀如来に帰依します』)と唱えることと、普段のちょ
っとした修行で、たとえお金がなくても極楽浄土へ行けるんですよ!―
という、まさに庶民のために生み出された仏教だったんだ。
―――そして、
さらに―――、
この浄土宗を開いた 法然の弟子であった親鸞は、
「『南無阿弥陀仏』を一日に何度も唱える必要すらない。真に阿弥陀如来に帰依する心さえもって
いたなら、一生にたった一度の念仏でも構わない!!」という、さらにお手軽な宗派「浄土真宗」
を生み出したんだ。浄土真宗は本当にお手軽で、なんと、「日々の修行」も完全に必要のないもの
になっているんだ。
―――そして、さらにさらにさらに、
「称名念仏すら必要ない!」という僧侶、一遍が登場する。
彼は「阿弥陀如来によって我々が極楽浄土に生まれ変わる=救われることは、阿弥陀如来の本願に
より、すでに決定している。ならば、ただ極楽浄土に生まれ変わらせていただける喜びを『踊り』
と『念仏』で表現すればよいだけなのではないか!!!」と言い始めるんだ。この考えに基づいて
彼の宗派(時宗)が実際に行なったのが「踊念仏」と呼ばれるものなんだ。
―――それがなんと!!!!!!!
浄土宗よりも・・・、
浄土真宗よりも・・・、
この「踊念仏」が当時、爆発的に流行!
「お手軽であること、楽しくやれること」が庶民に受け入れられた最大のポイントだったようなん
だ。
じゅんぺい先生の歴史マニアっぷりが、さらにエスカレートした第2回でした!
第3回は(鎌倉仏教最終回)は ~時宗が爆発的に流行したその後~ についてです。
マニアの方は、ぜひお楽しみにっ!!